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プロフィール

如月東子

Author:如月東子
C’est l’enfance de l’art.へようこそ。
(セ・ランファンス・ドゥ・ラール)

昔から絵を見るのが好きで、美術系の大学に行き「美術史」などを少し勉強しました。

その後、美術とは関係ないお仕事についたけど、美術について、普通の人よりはちょっぴりだけ多く考えてきました(多分)。

そんな私が、これまで美術鑑賞をするなかで気づいたこと・感じたこと・考えてきたことの中には、美術をもっと楽しみたいと思ってる人に、なにかヒントになることがあるかもしれません。

美術鑑賞の記録を中心に、美術館などの紹介や鑑賞の役に立つ情報などを載せていければ、と思います。

皆さんのお役に立てれば幸いです☆

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色彩について(その2):色の三大属性


色は大きく3つの属性を持っているといわれる。

色相・明度・彩度


色相」は、他の色と区別される「色合い」のこと。
「赤」「黄」「緑」「青」「紫」などと表現される
それぞれ違う色味のことである。

白・黒・グレーなどは色味がないので「無彩色」といい、
色味があるものを「有彩色」という。


それぞれの色相には明暗彩度がある。

明暗の差は、
自然界においても、
時間や天候を感じたり、
ものの立体感や遠近を判断するのに不可欠であるが、
絵画空間の表現においても重要な役割を果たす。

絵画空間で最も明るいのは白、
最も暗いのは黒だが、
これだけでは無彩色の絵画しか出来上がらない。


有彩の絵具による物の明暗の表現には
おおきく3通りが考えられる。

① モノクロームを基調に明暗をつけ、
  その上から、明暗が隠れない程度に
  「固有色」を薄くかける方法

② ある色相自体に白〜黒(茶/グレーなど)を混ぜて、
  グラデーションを作る方法

③ 明るい色相と暗い色相を組み合わせて使う方法
  (例えば明るい部分に黄色、暗い部分に赤や青を使う)


①の方法は、
あらかじめ明暗を決定してから色をのせるので失敗は少ないが、
即興的要素がなく、画面がかたくなる。

ヤン・ファン・エイク聖バルバラ1437年

↑下絵の状態。
この上に、色をかけていく。


ヤン・ファン・エイク《聖バルバラ》1437年
Koninklijk Museum voor Schone Kunsten, Antwerp
©Web Gallery of Art



②の方法は手間がかからず、理論的には分かりやすいが、
出来上がった画面は人工的で不自然にみえやすい。
(画家はその効果を狙って描いているはずである。)

ポントルモ十字架降下1528年

↑赤い衣、青灰色の衣、
 それぞれの色に白を混ぜてグラデーションをつくっている。

ポントルモ《十字架降下》1528年頃
Cappella Capponi, Santa Felicità, Florence
©Web Gallery of Art


③の方法が意識的・全面的に取り入れられるようになったのは、
印象派の絵画が広まってからといえるだろう。
生き生きとした印象の絵画になるが、
同じ色相を表現するのに、違う色相を組み合わせるわけだから、
面がバラバラにならないように、細心の注意が必要である。


モネ日傘の女1886年オルセー

↑日傘の内側の色合いや草に落ちた女性の影の色には、
 明度を落とした緑や赤が使われている。


モネ《日傘の女》1886年
Musée d'Orsay, Paris
©Web Gallery of Art


彩度は色の鮮やかさの度合いを示す言葉である。
その色の彩度が最も高いとき、
最もその色らしい特性が発揮される。
グレーが混じるにつれ彩度が落ちる。

現代の絵具でいうと、
チューブから出したばかりの状態が最も彩度が高く、
他の色と混ぜるほど彩度が低い鈍い色合いになる。


鮮やかさは人の目を引きつける。
絵具の鮮やかさを保つことは大事である。

一方で、
混色なしの、いわゆる「生の色」をそのまま画面に塗ると、
画面は調和のないものになりがちである。

画面上でどんなに鮮やかに見える色でも
他の色との対比によってそう見えるのであって、
「生の色」をそのまま使って鮮やかさを演出するような画家は
ほとんどいないと言ってよいだろう。


絵画において彩度と明度の関わりは複雑である。

例えば、
「黄色」はもともと明度が高い色である。
つまり、彩度の高い黄色は明度も高い。
一方、彩度の高い「赤」は、比較的明度が低い。

赤の明度をあげようと白を混ぜると
色が濁り、彩度がおちる。
同じ明度であっても、
もともと明るい黄色い絵具で明るさを表現するのと、
赤に白を混ぜた絵具で明るさを表現するのでは
その効果はまるで違う。


先ほどのポントルモ作品の右下の人物の赤い衣をみてみると、
明るい部分は白の混色で彩度が低くなっている。
一方、陰の部分は鮮やかなままの赤で、
そのためにこの絵は、陰の部分が妙に主張してくる絵になっている。


もし、この赤い陰の部分に、
他の色を混ぜて彩度を落とせば(補色を入れればてきめんに)、
もう少し普通っぽい落ち着いた絵画になるだろう。
(つまらない絵画になるにちがいないが。)

なお、
手前の人物の腰巻きの黄色だけは、
その色相のみでは暗部が作れないから、
より赤みのある鈍い色合いになってる点にも注意を…。




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