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プロフィール

如月東子

Author:如月東子
C’est l’enfance de l’art.へようこそ。
(セ・ランファンス・ドゥ・ラール)

昔から絵を見るのが好きで、美術系の大学に行き「美術史」などを少し勉強しました。

その後、美術とは関係ないお仕事についたけど、美術について、普通の人よりはちょっぴりだけ多く考えてきました(多分)。

そんな私が、これまで美術鑑賞をするなかで気づいたこと・感じたこと・考えてきたことの中には、美術をもっと楽しみたいと思ってる人に、なにかヒントになることがあるかもしれません。

美術鑑賞の記録を中心に、美術館などの紹介や鑑賞の役に立つ情報などを載せていければ、と思います。

皆さんのお役に立てれば幸いです☆

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ココこんなとこ!〜神戸ファッション美術館(神戸市)〜

こんにちは如月東子です。

今日は、神戸ファッション美術館の紹介と感想です。


***


神戸から海に突き出した海上都市、六甲アイランド。

JR東海道線の住吉駅から出発する六甲ライナーに乗って、
神戸の港を眼下に望む六甲大橋を渡り約10分。
神戸ファッション美術館のある
アイランドセンター駅に着きます。


駅を出てすぐ、
大きな円盤のようなものをのっけた
巨大な建物が目に入ってきました。

神戸ファッション美術館建物


その建物の1階に、
神戸市立の神戸ファッション美術館と
神戸ゆかりの美術館が併設されています。

ファッション美術館外観

美術館看板


***


美術館の入口を入ると、
ロビーは、広く、石造りで豪華な感じです。

ロビースペースでは、
「フェリシモ クリスマスアーカイブスコレクション展」
という小さな企画展示が行われており、
各国の伝統的飾り付けをしたクリスマスツリーなどが展示されていました。


***


さて、
現在開催中の展覧会は、
〈ファッション史の愉しみ−石山彰ブック・コレクションより〉


石山彰氏(1918−2011)は、
戦後日本の西洋服飾史研究の第一人者で、
お茶の水女子大などで教授をなさっていた方だそうです。

石山氏は16世紀ぐらいから西洋で出版され始めた
「ファッション・ブック」の収集家でもありました。

ファッション・ブックは、
現在で言えば、女性ファッション誌。
当時の流行の衣装を身に着けた男女の姿を描いた版画
=「ファッション・プレート」を綴じ込んで、
場合によっては文章をつけて本のように出版されたものです。

ファッション・プレートは、
当時の生活や美意識を伝える資料的な価値が高いだけでなく
独立した作品としても美しく、
芸術的な価値も有しています。


石山氏の収集したそれらのファッション・ブックと、
ファッション美術館が所蔵する同時代の衣装を、
合わせて展示したのがこの展覧会。


展覧会会場手前では、
コスチュームをきたマネキンなどの写真がとれるようになっています。

会場入口ホール


***


展覧会の構成は以下のとおりです。

 第1章 ファッション史の始まり
     −16、17、18世紀の文献とファッション・プレート

 第2章 ファッション・ブックの黎明期
     −革命期から1820年代まで

 第3章 ファッション・ブックの全盛期
     −1830年代から19世紀末まで

 第4章 ファッション史研究の確立
     −19世紀のファッション史・民族服文献

 第5章 ポショワールのファッション・ブックと挿絵本

 第6章 洋装化日本のファッション・プレート
     −揚州周延の錦絵を中心に


展示は、時系列に沿って、
壁や展示ケースにプレートやブックを並べ、
部屋の真ん中に島をつくって、衣装を着たマネキンを並べる、
という構成です。

スペース的には決して広くはありませんが、
プレートの数で考えると膨大な数の出品があり、
かなりヴォリュームのある展覧会です。

ひとつひとつの作品を見ていくと、
平気で2〜3時間経ってしまうと思います。


解説は比較的詳細ですが、
文字が細かく
読むのがおっくうになる方も多いかもしれません。


展覧会の内容をおおまかにいうと、
1章〜3章で、
マリー=アントワネットあたりの時代(ロココ)から、
ベル・エポック(20世紀初頭)ぐらいまでの
女性のファッションの流れが分かります。

4章では、服飾史の分野で次第に実証的な研究が出始め、
民族服などへの関心も高まってきた時代(19世紀)を軽く扱います。

5章では、
20世紀初頭、
ファッション誌に写真が掲載される直前まで発行されていた
非常に芸術性の高いファッション雑誌が紹介されます。

これらの雑誌に掲載されていた「ポショワール」という、
非常に手の込んだ版画の技法で描かれた極彩色のイラストは、
そのまま独立の絵画作品そのものといってもいい完成度です。

第6章では、
「日本のファッション・プレート」というべき浮世絵の中でも、
明治期の日本で活躍した浮世絵師
揚州周延(ようしゅうちかのぶ・1838−1912)
が描いた作品を主に紹介しています。

洋装の日本人の姿を描いた浮世絵は、
同時代の西洋プレートと比較すると、
その色合い等の独特さが際立ちます。

束髪(そくはつ)の結い方指南の出版物などもあり、
当時の女性の関心がかいまみられて面白いです。


18世紀から20世紀初頭までのファッション史を概観できる
「勉強」になる展覧会ですが、
特に5章、6章はそれぞれをテーマに
独立した展覧会ができるぐらいの質量があったと思います。


特にポショワールの美しさは一見の価値がありますので、
ぜひ見ていただきたいと思います。


ただ、今回の展覧会では、
出品リストがないのが残念でした…。


***


19世紀にはいると女性のファッションの変遷ははげしくなり、
 1820年代位まで 直線的シルエット
 1830年代    ロマンチック・スタイル
 40年代〜60年代 クリノリン・スタイル           
 70年代〜80年代 バスル・スタイル
 1890年代    S字シルエット
…などなど、
10年単位で変化しています。

映画などですと、なんとなくで見ていますが、
それぞれの衣装がこんなにハッキリ時代を表現していたとは
意識していませんでした。

日本の開国は1867年ですから、
いわゆる「鹿鳴館スタイル」は、
バスルスタイル(お尻側はすっと膨らんだ形)なのだということも
分かりました。


バッスル
バッスルの構造 出典 Wikipedia

バスルスタイル
出典 ripperiesandfobs.tumblr.com


さらにそれぞれの時代で、
モーニングドレス、アフタヌーンドレス、イブニングドレス、
ウォーキングドレスがあり、
小物があり、帽子があり、髪型があり…。

ちょっと目が回りそうですが、
ファッションに興味がある方には、
尽きせぬインスピレーション源になるようなイラストが
たくさんあるのではないでしょうか。


***


なお、展覧会冒頭で、
ファッション美術館が独自に製作したヴィデオが見られます。

23分間で、
1758年から1900年までのファッションの変遷を追ったものですが、
フィルム全体が、
西洋人俳優(?)出演による
英仏の歴史的建造物でのロケということで、
地味ながらなかなかゴージャスな内容です。

また、
ファッション美術館が、
フランスの人間国宝級の刺繍職人に依頼して再現したという
ナポレオンの戴冠式の衣装なども展示してもあり、
思いがけない豪華なものをみることができます。


***


建物の3階部分に、
美術館付属のライブラリーがあります。
ファッション・建築・美術・デザイン等の
書籍と雑誌を集めた図書館で、
DVDやCDなども視聴できるようです。

画集や写真集など、
洋書も含めて豊富にあったので、
ライブラリーと美術館で丸一日楽しめそうです。

なお、建物内に併設されている
神戸ゆかりの美術館」の年内の展示期間は終わってしまったようで、
今回は拝見することができませんでした。

また別の機会にうかがえればと思います。


チケット代500円で、充実の内容です!
ライブラリーもあわせて
ぜひぜひ足をお運びください。


神戸ファッション美術館
交通 JR住吉駅または阪神魚崎駅にて
   六甲ライナー乗り換え
   アイランドセンター駅下車
毎週水曜日休館
10:00~18:00(入館17:30まで)
http://www.fashionmuseum.or.jp/index.html


特別展示
〈ファッション史の愉しみ
―石山彰ブック・コレクションより― 〉
会期:2014年10月18日~2015年1月6日
(12月29日〜1月3日休館)


巡回予定
2016年2月13日~4月10日 世田谷美術館(東京)


ファッション史の愉しみ


今日はこれぐらいで。
それではまた。



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