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プロフィール

如月東子

Author:如月東子
C’est l’enfance de l’art.へようこそ。
(セ・ランファンス・ドゥ・ラール)

昔から絵を見るのが好きで、美術系の大学に行き「美術史」などを少し勉強しました。

その後、美術とは関係ないお仕事についたけど、美術について、普通の人よりはちょっぴりだけ多く考えてきました(多分)。

そんな私が、これまで美術鑑賞をするなかで気づいたこと・感じたこと・考えてきたことの中には、美術をもっと楽しみたいと思ってる人に、なにかヒントになることがあるかもしれません。

美術鑑賞の記録を中心に、美術館などの紹介や鑑賞の役に立つ情報などを載せていければ、と思います。

皆さんのお役に立てれば幸いです☆

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うん。わかる気がする。〜〈高松次郎ミステリーズ〉

こんにちは如月東子です。

今日は、東京国立近代美術館で開催中の
〈高松次郎ミステリーズ〉の感想です。


***


高松次郎(1936 - 1998)は、
戦後日本のアートシーンを代表する
芸術家です。

昨年亡くなった赤瀬川原平(1937 - 2014)および
中西夏之(1935 -)とともに、
ハイレッド・センターというグループを結成して、
社会的に物議をかもす活動をされた人でもあります。

ちなみにハイレッド・センターとは、
「高」=「high」「赤」=「red」「中」=「centre」。
それぞれの名字の頭文字をつなぎ合わせたものだそうです。


私はこれまで現代美術をあまり見ておらず、
高松次郎についても詳しく知りませんでした。

実際、私は今回はじめて
コンセプチュアル・アートの作品を
じっくり見たのでした。

コンセプチュアル・アート
(日本の美術界について語るなら、
概念派」と言う方がいいのかもしれません)
その定義は色々あるかもしれません。

ブリタニカ国際大百科事典によれば、

 概念芸術、観念芸術などともいわれ、
 1960年代後半から目立つようになった現象。
 芸術作品とは、芸術家がつくった物質的なものにではなく、
 概念そのもののうちにあるとする考え方。
 そのため文章や図版、写真といった情報伝達の機能が重視される。
   …(中略)…
 観念、論理、計画、比較、検討などが重視され、
 感覚的要素は弱まっている。
  …(以下略)…

とあります。


私が、高松作品を「コンセプチュアル」だという印象を持ったのは、
高松が、普通は、当然の「約束事」として
通り過ぎてしまうであろう「概念」に立ち止まり、
それについて思考し、
その思考を、視覚的な方法で形にしてしている、と感じたからです。


例えば、「点」。
「点」は概念上にしか存在しない存在です。
でも、そこから全てが生まれてくる。
そのことを描く初期作品。

本体の付随物としか考えられていない影が、
影を作る本体と別個に存在しつづけるというアイディア。
本体と影、その反転像、立体とくぼみ、そして鏡像。
これまでの絵画の約束事を覆す。

ある物がある役割を持っていることで、
「その物」としての存在が定義されるなら、
ちょっとしたしかけで、
あるものが「その物」のであることを阻止することができる。
——たとえば、4本脚のイスの
脚の1本を石の上に乗り上げさせてしまえば、
座る物としてのイスの機能は失われるだろう。


私たちをとりまく約束と、
それを素通りしない思考と、
目に見える形にしてみせる発想。

視覚化されている、というところがミソで、
これまでの「約束」の「形」を少しずらしたところに、
「概念」が立ち現れてくるのが面白いのです。


実際の高松の活動は、
視覚芸術にかぎるものではなく、
パフォーマンス的なものもあるようですが、
(「山手線事件」「ドロッピング・イベント
首都圏清掃整理促進運動」など)
本展覧会は、主に視覚的作品で構成されています。


初期作品から最晩年までの作品は、
本当に多様です。

展覧会の構成は以下のとおりです。

1.「点」、たとえば、一つの迷宮事件 1960-1963
2.標的は決してその姿をあらわさない 1964-1970s
3.それは「絵画」ではなかった 1970s-1998


〈点〉〈紐〉〈影〉〈遠近法〉〈単体〉〈複合体〉
「絵画」(←カッコ付き)に回帰した〈形〉から
最晩年の〈異食材〉まで、
高松作品の様々な面が
わかりやすくコーディネートされてます。


展覧会スペースは、
さほど大きいわけではなく、
ドローイング以外の出品数はそこまで多くありません。

でも、ひとつひとつの作品から、
それぞれ、高松の様々な「探求」が立ち現れてくるのですから、
いっぺんに多くの作品数はこなせない気がします。
適切な展示数ではないでしょうか。

ただし、ドローイングをじっくり見ていくと、
なかなかのボリュームがありますが…。


高松次郎の芸術的立場は「主知主義」的と分類されるようですが、
決して「冷たい」知性主義とは思いません。

彼の思考は、私たちの「日常」から出発している。

だから、見ているうちに
「なんか、あなたの考えていることがわかる気がする。」
なんだかそんな風につぶやきたくなります。


展覧会冒頭では、
影ラボ」という体験型コーナーもあります。
高松の発想の源に触れることができるかもしれません。

高松次郎ミステリー影ラボ


高松次郎が身近に感じられる展覧会です。
ぜひ足をお運びください!


〈高松次郎ミステリーズ〉
会期:2014年12月2日~2015年3月1日
会場:東京国立近代美術館 企画展ギャラリー

http://www.momat.go.jp/Honkan/takamatsujiro/index.html


高松次郎ミステリー看板


今日はこれぐらいで。
それではまた。


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