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プロフィール

如月東子

Author:如月東子
C’est l’enfance de l’art.へようこそ。
(セ・ランファンス・ドゥ・ラール)

昔から絵を見るのが好きで、美術系の大学に行き「美術史」などを少し勉強しました。

その後、美術とは関係ないお仕事についたけど、美術について、普通の人よりはちょっぴりだけ多く考えてきました(多分)。

そんな私が、これまで美術鑑賞をするなかで気づいたこと・感じたこと・考えてきたことの中には、美術をもっと楽しみたいと思ってる人に、なにかヒントになることがあるかもしれません。

美術鑑賞の記録を中心に、美術館などの紹介や鑑賞の役に立つ情報などを載せていければ、と思います。

皆さんのお役に立てれば幸いです☆

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ココこんなとこ! 〜白鶴美術館(神戸市・東灘区)〜

こんにちは如月東子です。

今日は、白鶴美術館の紹介と感想です。


***


白鶴美術館は、
日本酒メーカーである白鶴酒造の七代目
嘉納治兵衛(鶴翁)(1862-1951)が、
自ら蒐集した日本・中国の古美術品を
広く公開するために設立した美術館です。

昭和9年開館と言いますから、
私設美術館としてかなり伝統のあります。


私はJR住吉駅からバスで行きました。
海岸と並行に少し走ったバスは、すぐに左に曲がり、
住吉川沿いに六甲山へと登ります。
10分くらいで着きました。

帰り道は歩いてみましたが、
JR駅までは20分くらいあれば着きそうな感じです。
バスの待ち時間を考えると、歩いてもいいかもしれません。

ただし、行きは上り坂ですので、
鑑賞前に少しくたびれてしまわないようお気をつください。


美術館は山の手にありますが、
海のほうには、
阪神有数の酒どころである灘五郷がひかえています。
白鶴酒造の本社や酒蔵は現在も東灘区にあります。

あわせて灘の酒造めぐりもしたいものです。
http://www.feel-kobe.jp/model_course/012/
地図(PDF)
http://www.feel-kobe.jp/guidemap/data/nada_1.pdf
http://www.feel-kobe.jp/guidemap/data/nada_2.pdf


***


美術館は、本館
1995年に開館した新館に分かれています。

本館は巨石を配した堂々たる門構え。
白鶴美術館門


門をくぐると、
やはり巨石を中心とした枯山水風。
建物の立派さに驚きます。
白鶴美術館受付


建物に入り、受付をすませて中庭をのぞくと、
大きな八角灯籠を前に、
城の天守のような威厳ある建物が建っています。
美術品の展示がされている美術館本館です。
白鶴美術館本館


事務棟を含め、建物は和風ですが、
昭和9年築の鉄骨鉄筋コンクリート造だそうで、
国の登録有形文化財(建造物)に指定されています。


廊下を抜け、本館に入ります。
一面木の床で、
展示室天井は格天井という重厚なつくり。

展示スペースは、
1階に1室、
長い階段を登った2階に2室(1室は小さい)の全3室。

展示ケースの古さに、
美術館の歴史が感じられます。


展示スペースには出品目録がありませんので、
必要な方は、受付でいただいて下さい。


***


現在の本館の展覧会は、
〈仏教美術と中国陶磁〜愉快な鑑賞への誘い〜〉

白鶴美術館看板


【1階】
1階では中国陶磁を紹介します。
唐から明時代までのさまざまな陶磁器がみられますが、
中でも多く出ていたのは龍泉窯の青磁と天目茶碗。

とくに天目茶碗については、6つの実物を示しつつ、
天目茶碗の特徴について解説を加えてくれていて
非常にわかりやすく、ためになりました。

その他にも、
唐三彩の傑作といわれる《唐三彩鳳首瓶(とうさんさいほうしゅへい)》
景徳鎮の金襴手など、
ヴァラエティに富んだ作品がみられます。

沈南蘋などの絵画もあります。


【2階】
2階は仏教美術を展示します。

飛鳥時代の金工の作品から、江戸の絵画まで
幅広い仏教関連作品が並びます。

2階には軸をかける展示スペースがないためか、
掛け軸とおぼしき作品も、横におかれていたのは、
少し変わったやり方だと思います。


2階奥の部屋は、いわば「国宝室」。
国宝である奈良時代の下記の経典が見られます。
《賢愚経残巻》
http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=189296&isHighlight=true&pageId=30
《大般涅槃経集解》
http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=126157&isHighlight=true&pageId=30

重要文化財の狩野元信の金屏風は、
精密な複製が飾られています。
http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=126157&isHighlight=true&pageId=30


私が目を引かれたのは、《賢愚経残巻(甲巻)》

紙の白さが際立っています。
まるで、石膏下地をつくったような質感です。

そしてそこに表れる書の、
黒々とのびのびとした様子は、
私のように書がわからない人間にさえ、
雄大さを感じさせます。

〈正倉院展〉などでも感じたことでもありますが、
その当時これだけの密度をもった紙が作製され、
富と信仰と美意識をつぎこんで一字一句が編まれた上、
現代まで残されて、今、自分の眼前にあることに、
新鮮な驚きを感じます。


2階の展示物は頻繁に展示替えがあるようですので、
気に入った方は何度も訪れてみてください。


展覧会タイトルにあるような
「愉快な」紹介の仕方かわかりませんが、
確かな名品を存分に楽しめる展覧会であることに
間違いはありません。


鑑賞中ひとつ気になったのは、
展示室内が非常に寒かったことです。
古い建物のためか、空調があまりきいていないようでした。
春先(または秋口)におこしになる際は、
かなり厚着をしていくことをおススメします。


鑑賞をしていると、
美術館内を清かな音が聞こえてきます。
ふと目をやると、
山麓らしい地形に樹木が生え、
その下草から勢い良く水が走っていて、
しばらく疲れた目を癒してくれました。


***


新館は、本館の敷地をでて、すぐの別棟です。
こちらは一転、
コンクリうちっぱなしの四角いモダンな建物。
白鶴美術館新館

入口左右に、
満々と水をたたえた池があり、
ガラス張りの玄関スペースは
水族館のような不思議な空間です。


新館は、日本初のカーペット・ミュージアムとして、
オリエント絨毯コレクションを展示します。

現在の展覧会は、
〈ミフラーブ絨毯〜祈りと楽園の表現〜〉

鶴翁および白鶴美術館が集めた
ペルシア、トルコそして中央アジアの
礼拝用絨毯が展示されています。

ミフラーブとは、
モスクなどのなかにあるアーチ形の壁龕のことで、
今回の展覧会は、主に、
そのミフラーブをモチーフとした文様を持つ絨毯が
展示されています。

ムスリムの方は、
毎日数回メッカにむかって礼拝をされますが、
その際、足下には絨毯を敷いています。
絨毯は「清浄な空間を示す重要な道具」。
つまり、礼拝用絨毯は、持ち運びできる聖所なのです。

楽園のような光景が、
緻密に織りだされたウールの絨毯。
見事さに感嘆するとともに、思わず触りたくなりました!

20点以上が出展されていて、
見応えも十分です。


=白鶴美術館の評価ポイント=
★ 六甲山麓の閑静な場所
★ 登録有形文化財(建造物)指定の歴史的建造物
★ 2015年春期展本館では、国宝をはじめとする名品50点余が見られる。
  本展では、経典と中国陶磁器をみるべき
★ 作例に即し、かつ歴史を理解させてくれる解説○
★ 新館のオリエント絨毯コレクションを見られるのも珍しく貴重
★ 見て欲しいプラスの一品 《五彩魚藻文壷》



今はすでに遠くなった昭和(戦前?)な時間が感じられる美術館。
六甲山麓からの眺めを楽しみつつ、
名品の数々をご鑑賞いただきたいです。

ぜひ足をお運びください!

なお、阪急御影駅ちかくの香雪美術館までは15分ほど。
あわせてどうぞ。


白鶴美術館
阪神御影駅・JR住吉駅から市バスにて10分
阪急御影駅から徒歩15分
午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
月曜休館
TEL 078-851-6001 
http://www.hakutsuru-museum.org/


春季展
本館「仏教美術と中国陶磁〜愉快な鑑賞への誘い〜」
新館「ミフラーブ絨毯〜祈りと楽園の表現〜」
期間:2015年3月3日~6月7日
大人800円/65歳以上・高校大学生500円/小中学生250円
http://www.hakutsuru-museum.org/2015spring/index.shtml




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