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プロフィール

如月東子

Author:如月東子
C’est l’enfance de l’art.へようこそ。
(セ・ランファンス・ドゥ・ラール)

昔から絵を見るのが好きで、美術系の大学に行き「美術史」などを少し勉強しました。

その後、美術とは関係ないお仕事についたけど、美術について、普通の人よりはちょっぴりだけ多く考えてきました(多分)。

そんな私が、これまで美術鑑賞をするなかで気づいたこと・感じたこと・考えてきたことの中には、美術をもっと楽しみたいと思ってる人に、なにかヒントになることがあるかもしれません。

美術鑑賞の記録を中心に、美術館などの紹介や鑑賞の役に立つ情報などを載せていければ、と思います。

皆さんのお役に立てれば幸いです☆

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ココこんなとこ!印刷博物館(東京・文京区)


こんにちは如月東子です。

今日は、印刷博物館の紹介と感想です。


***


黄金にきらめくフライヤーが目にとまり、
ずいぶんお金のかかった印刷物だなあ、と思って
手に取ったのが
〈ヴァチカン教皇庁図書館展Ⅱ〜書物がひらくルネサンス〉
というタイトルの展覧会。

フライヤー3


開催しているのは印刷博物館

なんとなく、マイナーな閑散とした博物館を想像しつつ、
足を運んでみました。


***


後楽園駅からは20分程度は歩くでしょうか。
神田川沿いにしばらくいくと、
大きくTOPPANの文字の書かれたビルが見えてきます。

巨大なビルの麓につくと、印刷博物館の文字。

トッパン表

凸版印刷が、100周年記念事業として立ち上げたのが、
印刷博物館です。


ガラス張りのエントランスを入った奥に、
博物館の入口があります。

エントランス1

金属的な素材で様々な時代と地域の「版」を配置した壁面の前に、
象形文字の「見」をかたどった印刷博物館のロゴが、
まんまるな球体の上にのった不思議なオブジェ。
「見」のロゴがなかなかかわいい。


入口を入り、すぐ右手のエスカレーターで
降りたところがチケット売り場。
そこから展示会場に入ります。


入った左手にはVRシアターがあります。
「スーパーコンピューターを駆使した映像」
を上映しているとのこと。
最近、東京国立博物館などでたまに見られる
3Dの体感型映像ではないかと思います。

今回は、残念ながら時間がなくて見られませんでしたが、
私が行った際の上映作品は、
「ポンペイ 庭園の風景」「海のエジプト」
それぞれ30分程度で、交互に繰り返し上映されていました。
これは土日祝のみの上映のようです。


***


プロローグ的に様々な印刷物が展示されたスペースを抜けると、
今回の企画展示の会場へ。


思った以上に人が多い!


展覧会には、ヴァチカン教皇庁図書館所蔵の活版印刷本から、
聖書をはじめとして、
ルネサンス時代に人文主義者達に再発見され、
原文のまま、あるいは翻訳された
古代ギリシア・ローマの書物などの数々の貴重な書物が
一堂に会しています。


展覧会の下記の4部構成。

 第1部 祈りの救い
 第2部 古代の叡智
 第3部 近代の扉をひらく
 第4部 ヴァチカン貴重庫でみつけた日本・東アジア



美術史上「ルネサンス」と呼ばれる15世紀〜16世紀は、
活版印刷登場の時代でもあります。

「活版印刷」というと、
広く凸版による文字の印刷物全般を指すこともありますが、
ここでは、15世紀半ばに、
ヨハネス・グーテンベルクが発明した印刷の方法のこと
を呼ぶことにします。

26文字のアルファベットの1文字1文字を
凸型の金属棒に鋳造し、
それを自由に組み合わせて版下をつくる。
それにインクをのせて、
直接、紙に押し付け写し取る。

写本として一冊ずつ手で写し取られていた書物が、
活版印刷によって一気に大量に複製されることになりました。


この方法で、最初に出版されたのは聖書でした。

それまではラテン語で書かれ、
聖職者や、王侯貴族、一部の知識人だけのものであった聖書は、
各国語(「俗語」)に翻訳されていきます。

1462年出版の《48行聖書》(明星大学図書館蔵)ほか、
活版印刷最初期からの作品が並びます。

16世紀の宗教改革(Reformation)、
それに続く対抗宗教改革(Counter-Reformation)という
宗教運動にとって、
活版印刷がひとつの画期をなしたことは言うまでもありません。


活版印刷はまた、
場合によっては数世紀の間、修道院に写本の状態で眠っていた
ギリシア・ローマ時代のテキストを
広くヨーロッパ中に普及する役割を果たしました。
ヘロドトス、プリニウス、ウェルギリウス、キケロ、
ローマ法提要、幾何学原論、建築書…


活版印刷はさらに、古典古代の思想に影響を受けた
ユマニスト(人文主義者)達の考えを広めます。

ダンテの『神曲』には、
ボッティチェッリが銅版で挿絵を描き、
ルターの訳した新約聖書には
クラナハが絵をいれました。


ヴァティカンの豊富な資料の中から、
時代を表す書物を厳選して展示した展覧会。

本日、7月12日までの開催ですが、
この機会に是非ごらんください。


***


企画展示を見終わると、「総合展示ゾーン」へ。

ここでは、映像(動画)と実物を使い、
古今東西の「印刷」について
幅広い知識を得ることができます。

活版印刷機の横では、活版印刷制作の行程のヴィデオ、
日本の浮世絵の工房の様子とその制作方法、プロセスごとの作例、
印刷方法の種類、洋式の本の装丁の仕方…、
などなど。

ひとつひとつ見て行くと、
かなり勉強になると思います。


印刷工房「印刷の家」というブースでは、
一日に数回、ワークショップが行われていて、
活版印刷などの実体験ができるようです。
タイミングが合えば、ぜひやってみたいものですね。


***


企画盛りだくさんの文化スポット。
大きくはないけれど、施設が充実していて、
思った以上に人気のスポットのようです。

お子さんと訪れれば、
夏休みの自由研究のテーマがみつかりそう。
企画展示がない時期は、
大人300円、小学生以下無料で入館できます。
この夏、ぜひ足をお運びください。


印刷博物館
江戸川橋駅(最寄り)・飯田橋駅・後楽園駅(徒歩20分弱?)
午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
月曜休館
TEL 03-5840-2300
http://www.printing-museum.org/



〈ヴァチカン教皇庁図書館展Ⅱ〜書物がひらくルネサンス〉
期間: 2015年4月25日(土)~7月12日(日)
http://www.printing-museum.org/exhibition/temporary/150425/vc.html




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